【サッカー/指導者/#2】DFB Trainer B Lizenz サッカー戦術の理解②
前回の記事で整理したサッカーにおける4つの行動局面と3つのプレーエリアをより具体的に掘り下げる。
前回の記事を 読んでいない人は下記のリンクから前回の記事を一読することを勧める。
spieleroeffnung.hatenablog.com
4つの行動局面を3つのエリアそれぞれに当てはめると、以下のような戦術構成要素(die Taktikelemente)に分けることができる。
それぞれのエリアと行動局面で求められる判断基準をこのように各シーンの戦術構成要素として理解することは 、トレーニングを構築し指導をする上で、非常に有益である。また、試合を分析する上でもこの理解があることでどのシーンでうまく行っているのか、または改善が必要なのかを知ることができる。
ただし、1つのシーンは1つのシーンに過ぎないので、それぞれを切り離してはいけない。サッカーは90分の間、ハーフタイムを除いて常に断続的にプレーが継続され、攻撃、切り替え、守備、切り替えと常に局面が繋がっている。
つまり、何が言いたいのかというと、例えば、得点が少ないからと言って攻撃エリアでのシュート練習だけをやっても、必ずしも得点が増えるとは限らない。
例えば次のような状態がそうである。
- 得点が少ない
↑
- 攻撃の始まりがいつも相手ゴールから遠い
↑
- GKからのリスタート
↑
- 相手の攻撃がいつもシュートで終わる
↑
- ボールを失った後の切り替えが遅く、守備行動も悪い
つまり根本原因は守備や切り替えにある可能性もある。
あくまでも仮説だが、ここで強調したいのはサッカーの試合を分析、考察する上で、それぞれのシーンを分けて考えることはとても有益だが、サッカーの試合自体を分割することはできない。唯一分割して考えられるのはセットプレーだけである。
攻撃の戦術要素
さらに攻撃行動の戦術要素を詳しく掘り下げると以下のような図で表される。
1.最終(シュート)アクション
2.最終エリアでの三角形の構築
3.中央突破
4.中央ライン付近での三角形構築によるボール保持
5.サイドチェンジ
6.三角形構築による組み立ての準備
7.攻撃のスタート
8.カウンター
このようにDFB 指導者B級ライセンス養成コースでは攻撃戦術構成要素が分けられていた。またそれをさらに、個人・ペア・グループ・チーム戦術と細分化し、それぞれの規模で求められる戦術について整理、考察を行った。
上記の1−8の戦術要素をそれぞれ細かく考察すると非常に時間がかかるので、次回の記事では、最初の各エリアでの4局面ごとに掘り下げて書く。
また守備戦術の構成要素のついては別の記事で書く。